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​令和7年度 静岡市行政施策への要望

静岡商工会議所は、会員事業所の皆様から静岡のまちづくりに対する意見・要望を聴き、それを部会ごとにとりまとめて毎年、静岡市長に「静岡市行政施策への要望書」として提出しています。

2024年8月27日に静岡市長に提出した「令和6年度 静岡市行政施策に対する要望」は、​下記の通り。

 

​ 

静岡市長 難波喬司 様

 

令和7年度 静岡市行政施策に対する要望について

​ 

 現在、我が国経済は長期に及んだコロナ禍を脱却し、経済社会活動の正常化が進む一方で、中小企業では原材料・資源エネルギー価格の高騰に加え、過去最大の上げ幅となった最低賃金への対応をはじめとする防衛的な賃上げを余儀なくされるなど、厳しい経営環境に置かれています。また、直近では、米国経済の動向や日銀の追加利上げなどに端を発した為替・株式相場の乱高下により、先行きの不透明感はますます強まっています。
 さらに、今月には日向灘を震源とするマグネチュード7.1の地震により、気象庁初となる南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」が本市を含む707市町村に発表されるなど、地震への備えも改めて求められています。
 こうした中、静岡市では「安心感がある温かい社会」の実現に向け、「地域の文化力向上」「地域経済の活性化」「災害対応力の強化」といった施策に対して予算を重点配分し、優先的に推進されています。
 当会議所でも、第5次中期行動計画の主要テーマである「企業づくり」「人づくり」「地域づくり」「基盤づくり」とテーマを横断する「デジタル」と「グリーン」に関する様々な施策のもと、伴走型支援による中小企業の持続的発展や地域の特長を活かした賑わい創出を図っているところです。
 地域の中小企業は「持続的な賃上げ原資の確保」、「深刻化する人手不足への対応」が重要な課題となっています。当会議所では今後も、労務費を含めた取引価格の適正化、新商品・サービスの創出やデジタルを活用した生産性向上といった中小企業の付加価値向上に資する取組みを支援してまいります。
 引き続き、行政と経済界が両輪となって社会的課題の解決や地域経済の発展を図るため、別紙の通り行政施策要望を提出いたします。
 当会議所におきましても静岡市との連携を今後一層強化し地域の発展に尽力して参りますので、本要望につきましては令和7年度に優先的かつ重点的に推進いただきますよう、特段のご配慮をお願い申し上げます。

 

 

令和6年8月27日

 

静岡商工会議所

会 頭  岸田 裕之

副会頭  溝口 康博  髙橋 明彦  藤田 綾子

     大須賀 紳晃  杉本 浩利  望月 文人

部会長  市川 照 (建設部会)

     山田 英夫(港湾・交通運輸部会) 

     中村 貞夫(卸商業部会)

     谷口 智康(情報文化部会)

     佐藤 嘉洋(小売商業部会)

     田形 和幸(金融部会)

     中村 克海(製造業部会)

     馬瀬 和人(専門サービス部会)

     久保田 隆(観光・飲食部会)

     田中 康隆(生活関連サービス部会)

 

 

令和7年度 静岡市行政施策に対する要望

企業づくりに関する項目

 1.取引価格適正化の推進

 2.スタートアップとの連携強化

 3.事業承継の促進

 4.小規模事業者の支援体制の強化

 5.産学連携等による新産業・新事業創出の促進

 
人づくりに関する項目

 6.地域企業の人材確保・活用・定着の促進

 7.多文化共生の推進

 
地域づくりに関する項目

 8.災害等への対応力の強化 

 9.歴史文化のまちづくり推進

 10.海洋文化の拠点づくりの推進並びに清水ウォーターフロントの整備促進

 11.基幹道路等の整備促進 

 12.中心市街地活性化の推進

 13.観光誘客の促進 

 14.移住・企業誘致の促進

 15. JR静岡駅への新幹線ひかり号の停車本数増加の働きかけ

 
デジタル化の推進に関する項目

 16.地域企業のデジタル化の推進

 
カーボンニュートラルの推進に関する項目

 17.カーボンニュートラル推進の機運醸成

 18.カーボンニュートラルに向けた取組みへの支援

 19.エネルギー政策の推進

 
 

 

企業づくりに関する項目

1.取引価格適正化の推進

(要望理由)実質賃金が過去最長の期間でマイナスを記録するなか、中小企業を含めた持続的な賃上げ環境の確立により、物価と賃金の好循環に繋げることが重要となっている。賃上げの原資には生産性向上や取引価格の適正化等があげられ、当会議所では中小企業のデジタルを活用した生産性向上を推進するとともに、「パートナーシップ構築宣言」の周知を図り、労務費を含めた取引価格の適正化による新たな商習慣の構築を呼びかけている。引き続き、中小・小規模事業者の持続的な付加価値向上や賃上げにつなげるため、下記の事項を要望する。

 

 取引価格の適正化を図るパートナーシップ構築宣言の周知を図るとともに、宣言事業所への補助金申請や公共入札時の加点といったインセンティブ付与の拡充等、本制度の普及・促進に向けた取組みを加速させること

2.スタートアップとの連携強化

(要望理由)静岡市は令和6年度の重点事業としてスタートアップ協業等促進事業を位置付け、行政や中小企業の課題解決促進や次世代人材育成等の各種事業を推進している。革新的なアイデア・技術を有する首都圏等のスタートアップとの連携を更に強化するため、下記の事項を要望する。

(1)先進自治体の取組みを参考とし、静岡市発のスタートアップを増やす取組みを強化すること

(2)首都圏等のスタートアップとの連携による地元中小企業の経営課題解決や付加価値の高い新たな事業創出を図るため、スタートアップ協業

   等促進事業を充実・強化し地域経済の活性化を図ること

 


3.事業承継の促進

(要望理由)令和5年の休廃業・解散件数は過去最多となり、倒産件数を合算した退出企業も過去最多となっている。このような状況下で円滑な事業承継を実現するためには、早期に準備することが不可欠である。当会議所においても、静岡県事業承継・引継ぎ支援センターと連携し、中小企業の円滑な事業承継を支援している。喫緊の課題である事業承継の一層の促進を図るため、下記の事項を要望する。

 事業所の休廃業・解散件数が高水準で推移していることから、静岡市としても静岡県事業承継・引継ぎ支援センター等と連携し、経営者の早期取組みを促すよう、引き続き周知啓発を行うこと

 
4.小規模事業者の支援体制の強化

(要望理由)当会議所では、頻発化・激甚化する自然災害や感染症の拡大、物価上昇をはじめとする経営環境の変化、インボイス制度等の法改正への対応等、地域の小規模事業者へワンストップの伴走型支援体制を強化し、多くの相談に対応している。引き続き、小規模事業者の経営存続・持続的発展を支援するため、下記の事項を要望する。

原材料・エネルギー価格の高騰等、厳しい経営環境が続く中で、平成23年度からスタートした小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経資金)の利子補給は、市内の小規模事業者にとって、安定的な経営を維持するための有効な制度として浸透していることから、今後も時勢に合わせて柔軟に対応し、実効性の高い制度を継続すること

5.産学連携等による新産業・新事業創出の促進

(要望理由)当会議所が事務局を務める新産業開発振興機構では、実用化実験の支援を行っていた水中ドローンの合同会社を設立した他、静岡市清水産業・情報プラザ運営委託事業により、創業者育成室の運営、産学官講演会による産学官金の交流を推進する等、新産業・新事業の創出支援を行っている。引き続き産学連携、産産連携による新産業・新事業の創出プロジェクトを更に促進するため、下記の事項を要望する。

人づくりに関する項目

  

6.地域企業の人材確保・活用・定着の促進

(要望理由)当会議所では静岡市と連携し若年層向けにキャリア形成支援や就職情報支援誌の発行等により、地元企業への就職を促進している。若年者に加え、女性や高齢者等の多様な人材の確保・活用・定着を図るため、下記の事項を要望する。

 

(1)就職時に学生の首都圏流出防止とUターン就職拡大を図るため、学生と企業を円滑に繋げるよう今後も当会議所と連携して学生に向けた地元企業の情報発信を強化すること

(2)男性・女性が共に仕事・家事・育児・介護等を担う社会を定着させるため、男性の家事・育児・介護への参画に関する休暇や休業等の取得を促進する機運を醸成すること

(3)市内の中小企業等で働く労働者の子育て・介護による離職を防ぐため、子育て・介護を行う労働者の多様なニーズを把握し、柔軟で活用しやすい支援策を講じること

(4)今後、定年年齢の引き上げ等により高齢化する従業員が持続的に就労するため、健康経営の取組みは更に重要となる。引き続き、健康経営の重要性を周知するとともに、健康経営優良法人認定企業へインセンティブ(公共調達時の加点評価等)付与を拡充する等、中小企業の健康経営の取組みを支援すること

 


7.多文化共生の推進

(要望理由)地域の中小企業の人手不足が深刻化する中、外国人労働者を安定して受け入れ、安心して働ける環境を整備することが、当地域の中小企業の人材確保や人口流入に向けてこれまで以上に重要な対策となっていることから、下記の事項を要望する。

 

(1)外国人労働者の雇入れを安定して受け入れるため、その家族の地域コミュニティ参加のための支援や子供の教育環境の更なる充実に引き続き努めること

(2)空き家が全国的に問題となる中、住居探しに難航する留学生等に住居支援を行い、静岡市での就職・定住に繋げること

 

(3)外国人材の雇用をさらに増やすため、市内の高等教育機関への留学生等を増やす取組みを図ること。さらに、市内企業への留学生等の就職が促進されるよう当会議所と連携して施策を検討すること

(4)高度外国人材の確保に資するインターナショナルスクールの誘致に向けた取組みを加速させること

 
地域づくりに関する項目

8.災害等への対応力の強化

(要望理由)全国各地で大規模自然災害が頻発化・激甚化している中、令和4年9月の台風15号による甚大な被害は今なお静岡市民の記憶に強く残っている。地域の企業及び市民の安全確保、被災時の迅速な復興を見据えた取組みは、国や地方公共団体の重要な使命である。限りある予算の中で優先順位を決めて、災害等に対応する社会基盤整備を着実に行う必要があることから、下記の事項を要望する。

(1)地震・津波対策を迅速に行うこと。静岡市は、静岡県に対しできる限り早期の防潮堤整備を要望すること

(2)風水害の激甚化・頻発化を受け、市が実施している即効性のある対策を市民に周知するとともに、被害を軽減させる取組みを引き続き行い、国や県に対しても、独自の分析による新たな治水対策の立案等、事業効果を明確にした要望を積極的に行うこと

(3)観光都市を目指す静岡市として、訪日外国人が安心して観光や買い回りができるよう、災害時に使用できる緊急避難場所等が記載されている多言語マップを整備し、観光案内所や各商店街等に配布すること

9.歴史文化のまちづくり推進

(要望理由)令和5年の静岡市は、静岡市歴史博物館のグランドオープンや大河ドラマ「どうする家康」の放映等、全国から脚光を浴びる好機となった。この機運を一過性に留めず、デジタル技術等も活用し歴史文化のまちづくりをさらに推進することで地域活性化に繋げていくため、下記の事項を要望する。

 

(1)徳川家康公や今川義元公、聖一国師、徳川慶喜公、渋沢栄一翁、清水次郎長翁といった郷土の偉人の顕彰事業を地域経済の活性化に資するよう継続するとともに、静岡市で開催する祭りやイベント等を関連する歴史的施設・史跡と連携し実施すること

(2)静岡市歴史博物館を中心とする歴史文化施設・史跡と静岡市内の2峠6宿に岡部宿、藤枝宿を加えた日本遺産に認定されている2峠8宿による連携を強化し、歴史スポットの回遊性を高めること。また、インバウンドを含む観光誘客を拡大するため、静岡県内22宿と連携したPRを行う等、街道観光について具体的な取組みを推進すること

(3)市民や来街者に当地域の歴史を身近に感じてもらうため、歴史上のゆかりの地付近の道路に「慶喜さん通り」や「渋沢栄一通り」等の名称をつけ、地域を活性化する民間の取組みを引き続き支援すること 

(4)徳川みらい学会は、講演会等の事業を通して、市内外に徳川家康公の偉業や当市の歴史文化を広く発信している。静岡市は当会の運営について、令和6年度と同額の負担金を継続すること

(5)歴史観光にノウハウや知識を持った市外の人材を積極的に活用しインバウンドを含む観光誘客の拡大に繋げるため、地域おこし協力隊員を採用し、歴史関係団体や歴史博物館等と連携していくこと

(6)駿府城の天守閣再建については、建設業や観光・飲食業だけでなく、多業種に渡り大きく地域経済の発展に寄与することから、具体的な検討が可能になった段階で経済波及効果の把握に努め、公表すること

(7)駿府城の天守閣再建の実現について検討を進めるとともに、デジタル技術のXR(VR等)を活用し、天守閣や本丸御殿等を再現させた新たな体験型の観光スポットによる観光客誘致を検討すること

10.海洋文化の拠点づくりの推進並びに清水ウォーターフロントの整備促進

(要望理由)当会議所では、静岡県・市と連携し、清水ウォーターフロントの賑わい創出を推進している。中部横断自動車道の静岡・山梨間全線開通に加え、令和8年度中にオープン予定の「(仮称)静岡市海洋・地球に関する総合ミュージアム」等を地域経済の活性化に活用するため、下記の事項を要望する。項を要望する。

 

<海のみらい静岡友の会>

 これまで「海のみらい静岡友の会」を組織し、海洋・地球科学への知識や重要性の啓発、将来の海洋文化を担う人づくりを行い、「(仮称)静岡市海洋・地球総合ミュージアム」のオープンに向けた機運醸成の諸活動を行ってきたところである。令和8年度中にミュージアムの開館が見込まれることから、開館以降は友の会の趣旨を反映した啓発・海洋人材の育成に資する運営がなされるよう準備を進めること

(なお、ミュージアム開館により、友の会は発展的に解散する予定である)

<日の出地区>

 清水ウォーターフロント活性化の核となる「(仮称)静岡市海洋・地球総合ミュージアム」の令和8年度中のオープンに向け、市のリーターシップのもと着実な整備に努めるとともに、進捗状況などの情報提供をすること

<江尻地区>

 令和6年度中に江尻地区では、清水さくら病院やフェリー発着場の整備が完成し、周辺道路の混雑が懸念されている。既に渋滞が発生しているJR外浜踏切等周辺道路の混雑緩和及び来訪者等の江尻地区周辺の回遊性を高める施策を地域と一体となって図っていくこと

 

11.基幹道路等の整備促進

(要望理由)活発な企業活動の維持・促進には、人や物の流れを円滑化するとともに災害時等の緊急輸送を維持する都市基盤整備が求められる。当地域にとって特に重要な基幹道路の整備促進により、地域経済の活性化とライフラインの確保を図るため、下記の事項を要望する。

 

 

<中部横断自動車道>

 中部横断自動車道全線開通に向け、引き続き国等に働きかけるとともに、新潟県や長野県、山梨県と南北軸の広域経済圏を構成することにより、観光振興や経済交流を強化する等、引き続き同自動車道を地域活性化に最大限活用すること

<静清バイパス>

 清水区横砂から八坂までの清水立体事業について、令和5年11月より架設作業が再開されたが、まずは新たな開通見通しを迅速に精査・公表し、できるだけ早期に開通するよう国に働きかけること

<静岡南北道路>

 静岡南北道路は、新東名から東名、国道150号を結ぶものであり、本道路が整備された際の経済活動に与える効果は、静岡市のみならず広域に及ぶものであることから、国策として「長沼立体」が可能な限り早期に実現するよう、引き続き国に働きかけること

<国道150号・市道羽衣海岸線>

 久能山東照宮や三保半島、清水湾岸エリアへのアクセス向上のため、国道150号久能拡幅および市道羽衣海岸線を早期に整備すること

<東名高速道路・国道1号>

 由比地区では南海トラフ地震で想定される津波はもとより、台風等での高潮・強風でも東名高速道路や国道1号が通行止めとなる事態が発生している。新東名高速道路や国道52号への迂回については、連絡路への交通の集中等 時間的、走行経費的等の社会的損失が莫大となることから、損失を軽減する抜本的な対策となる迂回路設置の検討について、引き続き国に働きかけること

12.中心市街地活性化の推進

(要望理由)静岡市の人口減少や高齢化が進む中、コンパクトシティを推進する取組みが求められている。また、コロナ禍による消費者の価値観や消費行動の変化により、中心市街地もまた新たな役割を担う等変化への対応を続けることが不可欠となっている。当会議所では静岡市中心市街地活性化協議会の運営や商業者の意見集約、まちづくり団体への支援等を行っており、引き続き中心市街地の活性化を推進するため、下記の事項を要望する。

(1)JR静岡駅周辺については、政令指定都市の玄関口としてふさわしいまちづくりをどのように進めていくのかビジョンを示すこと

(2)中心市街地の賑わいを創出するため、幅広い世代が来街し活動する生涯学習や社会教育等の拠点となる施設を引き続き設置すること

(3)中心市街地への来街者の利便性向上と消費喚起を図るため、中心市街地の駐車場にかかる混雑状況の情報や料金決済、共通割引等が一元的に利用できるシステムの整備について検討すること

(4)静岡市地域イベント開催事業補助金のような中心市街地の賑わいを創出する小規模イベントの主催者が利用できる少額の補助制度(最大10万円程度)を創設すること

(5)青葉通り等については、日常での利用とともに、イベントでの更なる活用が促進されるよう、居心地が良く憩える空間づくりを検討すること

(6)消費者の購買意欲や街の賑わい創出を後押しするため、プレミアム商品券で利用したデジタルアプリを一過性のものに終わらせることなく、蓄積された店舗や登録者データを有効活用する施策を検討すること

(7)宮川・水上地区の土地区画整理事業の進展に伴い、交流機能の向上や来静者の増加が期待される。新たな来静者を静岡・清水の中心市街地等への集客に結びつけるための促進策について検討を始めること

 

13.観光誘客の促進

(要望理由)日本各地でインバウンドを含む観光需要がコロナ前の水準に戻りつつある一方で、県内の持ち直しの動きの鈍さが指摘されている。令和6年度は、清水港への国際クルーズ船の寄港予定が過去最高となる等、今後更にインバウンドの増加が見込まれることから、この機会を最大限地元の観光振興に取り込むことで地域経済を活性化させるため、下記の事項を要望する。

(1)静岡市の観光は、「日帰り型・通過型」の観光客が多いといわれている。産業を含む地域資源の観光コンテンツ化を進め、「美食・絶景・歴史・産業の感動体験」ができるまちとして、宿泊観光客の増加策を促進すること

(2)クルーズ船寄港が増加していることから、インバウンド需要の機会を逃すことなく、当地域への経済効果に繋がるよう市内サービス事業者と連携し、旅行会社に対して働きかけを行うこと。また、乗船客が三保松原や日本平、久能山東照宮をはじめ、登呂遺跡、静岡浅間神社等市内各所へ回遊するよう受入体制(通訳・交通・外国語案内板・Web等)を整え、経済効果に繋がる施策を推進すること

(3)静岡市の公園や施設、特に観光客が多く訪れる観光スポットの公共トイレについては、安心・安全・快適に利用できるよう整備すること

(4)AI等最新の技術を活用した多言語観光ガイドシステムを導入し、外国人観光客が母国語で観光情報をリアルタイムに取得できるようにすること

(5)日本平は日本百景である昼間の景観や日本夜景遺産である夜景の活用等により、静岡市を代表する観光地となっている。このポテンシャルを最大限に活かし、天候に左右されることなく、訪問客数の更なる増加と滞在時間の延長、消費喚起につながる山頂付近のにぎわい創出を促進する等、久能山東照宮との連携も含めた日本平全体の活用を検討すること

 

(6)ふるさと納税返礼品の強化策として、飲食店や旅館で利用可能な電子クーポンの発行を検討すること

(7)「しずおか葵プレミアム」や「しずおか商品開発プロジェクト」、「駿州堂」、「余ハ此處ニ居ルプロジェクト」等、静岡市にはブランド推進事業が複数ある。個々で展開しているこうした事業の連携を強化し、市内外に向けて一体的、より効果的にPR等を推進すること

  

14. 移住・企業誘致の促進

(要望理由)コロナ禍を経てテレワークの普及等により、首都圏から地方への移住、オフィスの地方分散の動きが継続し、移住者やサテライトオフィスも増加傾向となっている。また、企業誘致の阻害要因である企業が立地できる土地の確保に向けた環境整備も進められている。静岡市の優位性と諸施策の推進により、さらに移住・企業誘致の促進を図り、地域経済を活性化するため下記の事項を要望する。

(1)移住希望先として高い人気を得ている静岡市への移住を増加させるため、引き続き「静岡市移住支援センター」でのきめ細やかな相談対応や「お試し住宅」等の移住促進策を強力に推進すること

(2)令和6年度に新設される未利用・低利用地等有効活用法人の取組み等により、企業誘致を一層促進すること

(3)まちづくりやDX等、首都圏等で培ったノウハウを持った人材を静岡市で活用するためには、地域おこし協力隊制度が有効である。観光・歴史・地域づくり・人づくり等の各分野の活性化に向けて、今後も積極的に導入を図ること

15. JR静岡駅への新幹線ひかり号の停車本数増加の働きかけ

(要望理由)JR静岡駅は、県都の玄関口としてビジネスや観光、首都圏等への通勤・通学等で多くの人が利用している。また、東京から新幹線で約1時間という立地と暮らしやすく豊かな自然環境は静岡市の大きな強みとなっている。こうした優位性を活かし交流人口・定住人口・関係人口の増加に繋げるよう、下記の事項を要望する。

                                記

交流人口拡大・産業振興・地域活性化といった地方創生の取組み支援や利用客の利便性向上のため、 ひかり号の静岡駅の停車について、停車本数の増加、また、のぞみ号の停車について、継続して県市町と連携し、JR東海へ強く働きかけること

デジタル化の推進に関する項目

16.地域企業のデジタル化の推進

​(要望理由)当会議所では、平成31年度から「ITなんでも相談窓口」を設置する等、中小企業及び地域社会のデジタル化を推進している。地域経済を維持・発展させるために、ますます重要度が高まっているデジタル化を一層推進するため、下記の事項を要望する。

(1)行政手続きやサービスのデジタル化の進め方について、スケジュールやゴールを示すこと

(2)中小企業の生産性向上を図るため、平成31年度から実施している静岡市IT導入に向けた生産性向上支援業務(ITアドバイザーによる

  個別相談)の事業費を拡充すること

(3)デジタルを活用した中小企業の経営効率化や生産性向上を推進するため、「デジタル技術・ツールの導入」「リスキリング」「専門家派遣」等で活用できる「静岡市中小企業等デジタル活用事業補助金」の予算を拡充すること

(4)最新の人流データ取得技術を活用し取得した人流データを民間企業等が活用できるよう広く共有すること

(5)地域課題の解決や地域経済の活性化を図るため、コミュニティポイントシステム等の実行可能性について、当会議所とともに協議すること

カーボンニュートラルの推進に関する項目

17.カーボンニュートラル推進の機運醸成

(要望理由)静岡市は脱炭素先行地域に指定され、新たな脱炭素ビジネスを構築し全国に先駆けた取組みを推進している。2050年カーボンニュートラル実現に向けては、市民、企業といった地域全体が目指す社会のあり方を自ら考え、各々が取組みを実行することが重要であるため、下記の事項を要望する。

脱炭素社会実現に向け、静岡市全体の気運を醸成し市民が行動変容を起こすためには、学校及び消費者教育が大きなポイントになることから、静岡市の地域性・産業・経済等と関連を持たせた静岡市特有の脱炭素教育プログラムを充実させること

​18.カーボンニュートラルに向けた取組みへの支援

(要望理由)当会議所では、令和4年度に「カーボンニュートラル推進特別委員会」を設置し、令和5年度に第1次環境アクションプランを策定する等、中小企業のカーボンニュートラルへの取組みを促進している。これまで取組みを実施していない中小企業(特に小規模事業者)に、測る・減らすの取組みへと行動変容を 促すには、行政の強力な後押しが不可欠であるため、下記の事項を要望する。

 

 

(1)カーボンニュートラル実現へのロードマップを数値等を用いてわかりやすく明示するとともに、参考となる具体的取組事例や取組時の補助金等の支援策も周知すること

(2)CO2排出量を算定した中小企業に対してのインセンティブ(公共入札や各種補助金申請時の加点等)を早急に検討すること

19.エネルギー政策の推進

(要望理由)静岡市のカーボンニュートラル実現に向けては、市民及び地域の企業の不断の取組みとともに、電源の脱炭素化や新たな技術を積極的に導入する等、他の地域を先んじるエネルギー政策の推進が重要な ため、下記の事項を要望する。

(1)水素エネルギーやペロブスカイト太陽電池等の脱炭素に向けた取組みについては、確立されていない技術やテスト実証段階においても積極的に取り入れるとともに、スタートアップへの支援等を通じ、本市が環境分野におけるパイオニアとなること

(2)環境省脱炭素先行地域に選定されている各エリアのゴールを明確にするとともに進捗状況を整理し、ゴールに向けて必要な支援をエリア内の参画企業に行うこと。併せて、賛同企業の募集を行うほか、新たに脱炭素先行地域へ応募する等、広く市域を巻き込んだ取組みとし、さらなる環境先進都市を目指すこと

(3)脱炭素施策を組織横断的に企画・運営し、各部署を連携させてスピード感がある対応を行うため、部署を跨いだ脱炭素専門部署を設置すること

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