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静岡商工会議所会頭ごあいさつ

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第4代 岸田裕之会頭

 (2022年11月1日~)

 

2025年 年頭ごあいさつ 

持続的な成長経済を実現する年に

 

 あけましておめでとうございます。

年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 さて、昨年を振り返ってみますと、日経平均株価が過去最高値を更新し、歴史的な円安や17年ぶりとなるマイナス金利政策の解除がありました。また、石破内閣の発足、トランプ米大統領の再選、静岡県では鈴木康友知事の就任など、経済や政治で大きな変化があった1年となりました。

 6月には、実質賃金が27カ月ぶりにプラスとなる明るいニュースもありましたが、8月には賃金の上昇が物価の高騰に追い付かず、再びマイナスとなってしまいました。

 ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響など複数の要因による物価の高騰は不確定要素も多く、今後も見通しは定かではありません。

 このような中、本年は我が国が物価高を克服し、持続的な成長型経済に移行するターニングポイントになるのではないかと考えています。そして、その実現のため、我が国企業の99.7%を占める中小企業の自己変革が強く求められています。

 人手不足、物価高で苦しむ中小企業の自己変革に最も必要なことは、やはりデジタル化による省力化、効率化です。労働分配率の高い中小企業では、AIやクラウドツール等の活用で間接業務をデジタル化し、本業に専念できる業務プロセスを再構築することで、生産性を向上させる余地は十分にあると思われます。

 加えて、新しい商品やサービスの提供による付加価値の向上や、販路の開拓・拡大等も重要となります。

 当商工会議所と致しましても、引き続き関係機関や専門家と連携し、中小企業のITの実装から活用までの個別相談や新規事業に関する経営計画の策定といった伴走型支援により、中小企業の自己変革を支援するとともに、取引先との共存共栄の関係を築き適正な価格転嫁の機運醸成を図るパートナーシップ構築宣言の推進により、持続可能な賃上げ環境への転換、そして、成長型経済の実現に向けて尽力して参る所存です。

 また、昨夏は静岡市でも気温が40度に達するなど、全国的に猛暑日、真夏日が続き、屋外での活動自粛が連日のように呼びかけられ、地球温暖化への対策が待ったなしの状況にあると改めて気づかされました。

 昨年実施した当商工会議所の会員アンケート調査では、従業員規模が小さいほど、カーボンニュートラルに対する関心が低いという結果となりました。しかしながら、実際には「電気やガソリンの使用料の確認」、「エアコンの設定温度の見直しや省エネ機器への切替」など、皆様が企業を経営する上ですでに取り組んでいることも数多くあります。

 今後は、カーボンニュートラル実現に向けた取組みについて、私ども支援機関や行政が分かりやすく情報を発信し、規模の大小に関わらず企業の皆様が自分事として認識し、その取組みを拡大していくことが重要だと考えております。

 地域の話題としましては、我が国への訪日外国人観光客が3千万人を超え過去最高の規模となる中、清水港へのクルーズ船寄港数も昨年度は約90隻、今年度も100隻を超え過去最多を更新する見込みです。

 玄関口となる清水区では、内閣府に今年度採択された地域の産学官連携による「駿河湾・海洋DX先端拠点化計画」や、2026年度オープン予定の「(仮称)静岡市海洋・地球総合博物館」等による海洋文化拠点づくりが更に進むことを期待しているところです。

 葵区では、デジタル技術を活用した駿府城天守の姿を精細に再現するVRの制作計画が進み、また県内最大規模のアリーナ整備と一体化した東静岡のまちづくりの計画が始まったところです。

 駿河区では、日本平久能山スマートIC周辺の「宮川・水上地区の土地区画整理事業」が進められ、交流機能の向上が期待されています。

 こうした魅力的な拠点は整備して終わりではなく、いかに地域活性化に最大限の効果を発揮させるかが重要になります。静岡市の歴史・文化遺産をはじめとする地域資源のネットワーク化や豊富な食材を楽しむガストロノミーツ―リズムの推進など、ソフト事業を絡めて各拠点間、そして静岡市全体の回遊に繋げるよう、静岡市や関係機関とともに、知恵を絞って参りたいと存じます。

 最後に、石破首相は「地方こそ成長の主役」と位置づけ「新しい地方経済・生活環境創生本部」を創設し、今後10年間集中的に取り組むとしています。

 当商工会議所と致しましても、この機会を逃すことなく、公民連携の中枢として、地域経済の活性化に役職員一丸となって取り組んで参りますので、引き続きご理解とご協力をお願い申し上げる次第です。

 結びに、本年も皆様が自己変革に果敢に挑戦する活力溢れる年となりますことを祈念申し上げまして、新年のご挨拶といたします。

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